「冨田人形共遊団」の人形浄瑠璃を鑑賞しました

2024.11.19

イベント

短期大学部

11月12日、短期大学1回生全員で「人形浄瑠璃」を鑑賞しました。

例年、滋賀県長浜市「冨田人形共遊団」の皆さまをお招きしています。人形浄瑠璃は、太夫の語りと三味線、そして人形遣いによって、舞台上の人形に命が宿る伝統芸能です。学生たちの目の前での迫力ある上演を通じて体験的に学ぶこの鑑賞は、常磐会短期大学の特色ある授業「人権概論」のプログラムの一つとなっています。

冨田人形共遊団は、今から190年近く昔、当地を訪れた阿波の人形芝居の一座が大雪で興行できず、宿賃の代わりとして置いて帰った人形を発祥として、地域で継承されてきました。地元での定期公演や国内各地の公演を始め、海外公演や人形浄瑠璃を学ぶ海外からの留学生をこれまで約400人受け入れるなど、長年にわたって多彩なご活躍を続けられています。

団長の阿部秀彦さんを始め、団員の方々にお越しいただき、人形浄瑠璃の魅力、江戸時代から伝わる人形の仕組みや精妙な動かし方、繊細な感情表現などについて、目の前での実演と共に伺い、生きているような人形の姿に学生は驚きの声を上げていました。

その後、演目「傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段」を、学内のホールに設営した本格的な舞台で上演していただきました。3歳の時に別れた顔も知らぬ親を探して一人遠国を巡礼する幼い娘、我が子と気づきながらも名乗ることのできない母親。偶然出会いながらもすれ違う親子の哀切な物語が、人形、語り、三味線によって織りなされ、皆引き込まれました。

上演の後は、希望する学生たちが貴重な文化財でもある人形を実際に持って動かす体験をさせていただき、3人での独特の遣い方を楽しんだり、客席の学生たちに向かって演じてみたりしていました。さらに団員の方々が人形を持って客席の学生たちの元を回り、丁寧に説明をしてくださると、どの学生も目を輝かせて人形に触れたり、質問をしたりして、和やかな学びの時間が流れました。

伝統文化を幼い子どもや海外の方も含め、実際に触れながら親しみ、受け継いでいってほしい、という冨田人形共遊団の皆さんの思いは、人形やお話とも縁の深い保育者を目指す短期大学の学生たちにも響くものでした。最後に自治会役員の学生からお礼をお伝えすると、思いが伝わったことをとても喜んでいただきました。人形浄瑠璃の物語と、伝統芸能を育み受け継いできた人々の営みに思いをはせる、貴重な学びの時間となりました。

本件に関するお問い合わせ

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